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体重減少率の計算と、低栄養リスクの判定

前に測った体重と今の体重、その間の期間を入れてください。減少率と、低栄養のリスクが出ます。

入れてください

「前の体重」は、比べたい時点の体重です。一か月前、三か月前、六か月前のいずれかで比べます。

この結果を残しておきますか。

事業所の窓に登録すると、計算した結果を利用者や職員ごとに残して、前の月と比べられます。月 2,990 円。三十日は請求しません。

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高齢の方の体重は、落ち始めると速く落ちます。そして落ちてから戻すのは、落ちるより何倍も難しい。だから、落ち始めに気づくことがすべてです。

計算式

体重減少率(%)=(前の体重 − 今の体重)÷ 前の体重 × 100

割るのは前の体重です。今の体重で割ると数が変わります。52 kg から 49 kg へ減ったなら、3 ÷ 52 × 100 = 5.8 %です。

判定の基準

厚生労働省の栄養ケア・マネジメントに、低栄養リスクの判定基準が示されています。体重減少率だけでなく、BMI と血清アルブミン値も合わせて見ます。

項目低リスク中リスク高リスク
BMI18.5 〜 29.918.5 未満
1 か月の減少率3 %未満3 %以上 5 %未満5 %以上
3 か月の減少率3 %未満3 %以上 7.5 %未満7.5 %以上
6 か月の減少率3 %未満3 %以上 10 %未満10 %以上
血清アルブミン3.6 g/dL 以上3.0 〜 3.5 g/dL3.0 g/dL 未満

一つでも高リスクに当たれば、高リスクとして扱います。全部が揃う必要はありません。

短い期間ほど基準が厳しいことに注目してください。一か月で 5 %は、六か月で 10 %より重い事態です。速く落ちているからです。

体重 50 kg の方で、何 kg にあたるか

期間中リスク(3 %)高リスク
1 か月1.5 kg2.5 kg(5 %)
3 か月1.5 kg3.8 kg(7.5 %)
6 か月1.5 kg5.0 kg(10 %)

一か月で 1.5 kg は、気づきにくい量です。見た目ではほとんど分かりません。だから測るのです。

測り方を揃えないと、判定できません

体重は、条件で 1 kg 前後動きます。だから条件を揃えないと、減ったのか測り方が違うのか分かりません。

条件を紙に書いて、体重計のそばに貼ってください。

測る職員が替わると、条件が変わります。「上着を脱いで、履物を脱いで、トイレの後に、入浴前に測る」と書いてあるだけで、数字が揃います。

減っていたときに、まず探すこと

「食べていないから減った」で終わらせないでください。なぜ食べないのかに、必ず理由があります。

探すところ見つかること
口の中義歯が合っていない。歯が痛む。口内炎。口が乾いている
飲み込みむせる。飲み込むのに時間がかかる。食後に声が変わる
薬が変わってから食欲が落ちた。味が変わった
お通じ便秘が続いている。お腹が張っている
気持ち元気がない。人と関わらなくなった。家族に変化があった
食事の形刻みすぎて食べにくい。量が多くて気が滅入る。味が薄い

いちばん多いのは、口の中と薬です。そしてどちらも、聞かなければ分かりません。「お口の具合はいかがですか」「お薬は変わりましたか」。この二つを聞いてください。

刻み食が、痩せる原因になることがあります

飲み込みが心配だからと刻んで出す。ところが刻んだ食事は、口の中でまとまらず、かえって食べにくくなることがあります。

そして見た目が変わります。何を食べているか分からない皿は、食欲を下げます。刻む前に、本当に刻む必要があるかを確かめてください。軟らかく煮る、一口大に切る、とろみをつける。ほかの手があります。

食事の形態を変えたら、その月の体重を必ず見てください。形態を変えた月に体重が落ちたなら、その変更が原因です。

必要な量を、数で出す

減っていることが分かったら、次は「何 kcal 足りないのか」です。感覚で増やしても戻りません。

必要エネルギーの計算で、その方に必要な一日のエネルギーとたんぱく質が出ます。今の摂取量と比べて、差を埋めます。

一か月で 1 kg 増やすには、一日およそ 240 kcal の上乗せが要ります。これは、間食を一つ足す量です。三食を増やすより、間食を足すほうが現実的な場面が多くあります。

たんぱく質も同時に見てください。エネルギーだけ足しても、筋肉は戻りません。体重 1 kg あたり 1.0 g から 1.2 g が、高齢の方の目安です。

水分も一緒に落ちています

食事量が減ると、食事に含まれる水分も減ります。一日三食から二食になれば、食事から入る水分がおよそ 300 mL 減ります。

体重が減っている方は、脱水の危険がいちばん高い方です。必要水分量の計算で、飲み物で補う量を出してください。

記録の書き方

書き方
薄い体重減少あり。経過観察
使える9/10 測定 49.0 kg(6/10 は 52.0 kg)。3 か月で 5.8 %の減少、中リスク。主食の摂取量が 10 割から 5 割に低下。「入れ歯が当たる」との訴えあり。9/12 ご家族へ連絡、歯科受診を依頼

数字、期間、割合、リスク、理由、動いたこと。この六つが入っていれば、管理栄養士にも医師にもそのまま渡せます。

加算との関係

通所介護では、口腔・栄養スクリーニング加算があります。利用者ごとに、栄養状態と口腔の状態を確認して、ケアマネジャーに情報を提供する加算です。

体重の測定と記録は、その根拠になります。加算を取るために測るのではなく、測っているから加算が取れるという順番にしてください。

通所介護の加算は通所介護の加算に、加算の計算は加算の計算にまとめています。

ご家族への伝え方

「痩せてこられました」では伝わりません。数字で伝えてください。

「三か月で 3 kg、5.8 パーセント減っておられます。この期間で 7.5 パーセントを超えると高いリスクとされますので、その手前です。入れ歯が当たるとおっしゃっているので、歯科を受診していただけますか」。

ここまで言えば、ご家族が動けます。動ける形にして渡すことが、伝えるということです。

日々の様子とあわせて伝わる形は、記録が届く仕組みがあると変わります。介護の事業所だけのホームページ制作をご覧ください。

よくあるご質問
体重減少率の計算式を教えてください。

(前の体重 − 今の体重)÷ 前の体重 × 100 です。前の体重で割ります。今の体重で割ると数が変わりますので、気をつけてください。たとえば 52 kg から 49 kg へ減った場合は、3 ÷ 52 × 100 で 5.8 %です。

どれくらい減ったら危ないのですか。

期間によって基準が違います。一か月で 5 %以上、三か月で 7.5 %以上、六か月で 10 %以上が高リスクです。中リスクはいずれの期間でも 3 %以上からです。短い期間で減るほど危険だということです。

体重が測れない方は、どうしますか。

立てない方には、車いす用の体重計か、ベッドに載せる形の体重計を使います。どちらもない場合は、上腕の周囲長とふくらはぎの周囲長を測る方法があります。ふくらはぎの周囲長が 31 cm 未満は、筋肉量が少ないことの目安として使われています。メジャー一本でできます。

むくみがあるときは、どう見ますか。

むくみがあると、体重が減っていても数字に出ません。むくみが引いたとたんに大きく減ったように見えることがあります。体重だけで判断せず、食事の摂取量、上腕とふくらはぎの周囲長、見た目の痩せ方を合わせて見てください。

血清アルブミンが分からないときは、判定できませんか。

できます。体重減少率と BMI だけでも判定できます。血清アルブミンは血液検査の値で、主治医意見書や病院からの情報提供に載っていることがあります。分かれば入れてください。分からなければ空欄のままで結構です。

痩せていくのは年齢のせいではないのですか。

年齢とともに筋肉量が減ることはあります。ただし短い期間で大きく減るのは、年齢では説明がつきません。一か月で 5 %減るのは、体重 50 kg の方で 2.5 kg です。これは年齢のせいではありません。必ず理由があります。

出典
厚生労働省「栄養ケア・マネジメント」に示された低栄養リスクの判定基準(体重減少率、BMI、血清アルブミン値)
この頁の計算は上の資料に基づいています。最後の判断は指定権者の指示に従ってください。
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ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報