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通所介護の加算・減算の一覧。単位数と算定要件、月額の目安

2026.09.11空音開発約 8 分で読めます

加算は、取れるものを取っていない事業所が驚くほど多くあります。理由はたいてい「知らなかった」か「月にいくらになるか分からないので後回しにした」のどちらかです。この記事では、通所介護と地域密着型通所介護の加算と減算を一覧にし、そのうえで一か月にいくらになるのかを出せる形まで持っていきます。単位数は令和 6 年度改定の告示に基づいています。

加算は三つの群に分かれます

並べ方はいろいろありますが、事業所が判断するときに役に立つのは、この三つです。

体制で決まるもの。職員の資格や配置の状況で算定できます。いったん条件を満たせば、利用のあった日に毎日算定できるのが特徴です。新しい作業が増えないため、いちばん取りやすい群です。

個別の取り組みで決まるもの。利用者ごとに計画を作り、実施し、評価します。単位数の大きいものが並びますが、その分だけ人と時間を使います。取る前に、誰がその作業をするのかを決めておかないと、現場が回らなくなります。

減算。条件を満たしていないと引かれるものです。取り忘れではなく、うっかり引かれる側です。とくに送迎と、書類を作っていないことによる減算は、気づかないうちに毎日効いてきます。

体制で決まる加算

加算単位あたり要件の要点
サービス提供体制強化加算(Ⅰ)221 日介護福祉士が 70% 以上、または勤続 10 年以上の介護福祉士が 25% 以上
サービス提供体制強化加算(Ⅱ)181 日介護福祉士が 50% 以上
サービス提供体制強化加算(Ⅲ)61 日介護福祉士が 40% 以上、または勤続 7 年以上の職員が 30% 以上
中重度者ケア体制加算451 日常勤換算で 2 人以上を加配。要介護 3 以上が 30% 以上。専従の看護職員 1 人
認知症加算601 日常勤換算で 2 人以上を加配。認知症の利用者が 15% 以上。研修修了者を配置

この群でまず確かめてほしいのが、サービス提供体制強化加算です。新しい取り組みを始める必要がありません。今いる職員の資格を数えるだけです。取れる区分なのに届け出ていない事業所が、実際にあります。

数え方には決まりがあります。介護福祉士の割合は、前年度の平均を常勤換算で出します。前年度の実績が六か月に満たない事業所は、届け出た月の前の三か月の平均で見ます。年度が変わったときに数え直してください。職員が入れ替われば割合は動きます。

中重度者ケア体制加算と認知症加算は、どちらも常勤換算で二人以上の加配が要ります。人員基準として必要な数に上乗せする形です。二つとも取ろうとすると、それぞれに二人ずつ、合わせて四人の加配が必要になります。同じ加配で両方を満たすことはできません。

入浴介助加算は、日ごとに算定できるため一か月の額が大きくなります
入浴介助加算は、日ごとに算定できるため一か月の額が大きくなります

個別の取り組みで決まる加算

加算単位あたり要件の要点
入浴介助加算(Ⅰ)401 日人員と設備を備えた入浴介助。職員に研修を行うこと
入浴介助加算(Ⅱ)551 日(Ⅰ)に加えて、居宅を訪問して評価し、個別の入浴計画を作ること
個別機能訓練加算(Ⅰ)イ561 日専従の機能訓練指導員を 1 人以上。居宅を訪問して評価し計画を作ること
個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ761 日(Ⅰ)イに加えて機能訓練指導員をもう 1 人以上
個別機能訓練加算(Ⅱ)201 月(Ⅰ)を算定したうえで、厚生労働省へ提出し返しを活かすこと
科学的介護推進体制加算401 月利用者ごとの心身の状況などを厚生労働省へ提出し、返しを活かすこと
ADL 維持等加算(Ⅰ)301 月対象者 10 人以上。ADL の利得の平均が 1 以上
ADL 維持等加算(Ⅱ)601 月対象者 10 人以上。ADL の利得の平均が 3 以上
生活機能向上連携加算(Ⅰ)1001 月外部のリハビリ職から助言を受け、共同で計画を作ること(3 か月に 1 回)
生活機能向上連携加算(Ⅱ)2001 月外部のリハビリ職が訪問して共同で評価すること。個別機能訓練加算を算定していれば 100
栄養アセスメント加算501 月管理栄養士を配置し、多職種で評価して厚生労働省へ提出すること
栄養改善加算2001 回管理栄養士を配置し、栄養ケア計画を作ること。月 2 回まで
口腔機能向上加算(Ⅰ)1501 回言語聴覚士などを配置し、多職種で計画を作り実施すること。月 2 回まで
口腔機能向上加算(Ⅱ)1601 回(Ⅰ)に加えて厚生労働省へ提出し返しを活かすこと。月 2 回まで
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅰ)201 回口腔と栄養の両方を 6 か月ごとに確かめ、ケアマネジャーへ知らせること
口腔・栄養スクリーニング加算(Ⅱ)51 回口腔か栄養のどちらか一方を確かめること
若年性認知症利用者受入加算601 日若年性認知症の方を受け入れ、利用者ごとに担当者を決めること
延長加算50〜2501 日8 時間以上のサービスの前後に続けて提供すること。9 時間から 14 時間まで 1 時間ごとに 50 単位

減算と、割合で決まるもの

減算引かれる分要件の要点
送迎を行わない場合(片道)−47 単位送迎をしなかった片道の数だけ引かれます。往復なら −94
同一の建物から通う場合−94 単位事業所と同じ建物に住んでいる方。傷病などの例外があります
定員を超えて利用させた場合所定単位数の 70%月の平均利用者数が定員を超えたとき
人員基準を欠く場合所定単位数の 70%看護職員または介護職員の配置が足りないとき
高齢者虐待の防止の措置が未実施1% を引く委員会、指針、研修、担当者のいずれかが整っていないとき
業務継続計画が未策定1% を引く感染症と災害の計画、研修、訓練のいずれかが整っていないとき

最後の二つは、書類を作っていないことによる減算です。金額としては一パーセントですが、作れば消えます。作らずに放っておくと毎日引かれ続けます。年間で見ると小さくありません。

介護職員等処遇改善加算は、所定単位数に区分ごとの割合を掛ける形です。令和 8 年 6 月 1 日の臨時改定で引き上げられ、対象が介護職員から介護に従事する職員全体へ広がりました。区分Ⅰロ・Ⅱロが新しく設けられています。

算定の単位が三種類あることに注意します

月にいくらになるかを見積もるとき、ここが効きます。

1利用のあった日ごと。週 2 回なら月 8 回ぶん
1通う回数に関わらず月に 1 回
1実施した回ごと。多くは月 2 回まで

一日あたり四十単位の入浴介助加算は、週二回通う方なら月に八回で三百二十単位になります。一方、月あたり四十単位の科学的介護推進体制加算は、通う回数に関わらず四十単位です。単位数だけを見比べると判断を誤ります。

取る前に、誰がその作業をするのかを勤務のなかで決めておきます
取る前に、誰がその作業をするのかを勤務のなかで決めておきます

単位を円に直す

一単位は基本的に十円ですが、地域によって上乗せがあります。

一単位の単価 = 10 円 ×(1 + 地域区分の上乗せ割合 × 人件費の割合)

通所介護の人件費の割合は四十五パーセントです。一級地なら 10 ×(1 + 0.20 × 0.45)で 10.90 円になります。

利用者三十人の事業所で、一人あたり月に四百単位の加算を取れているとします。合計は一万二千単位。その他の地域なら十二万円、一級地なら十三万八百円です。年にすると百四十万円から百五十七万円になります。

取っている加算を選ぶだけで、この計算をその場で出せる道具を用意しました。通所介護の加算・減算の早見です。利用者数と地域区分を入れると、一か月の見込みが円で出ます。登録は要りません。

まず確かめてほしい二つ

いきなり大きな加算を狙うより、確実なところから積む方が現場は続きます。

サービス提供体制強化加算。職員名簿を作って介護福祉士の割合を数えるだけです。四十パーセントを超えていれば(Ⅲ)が、五十パーセントで(Ⅱ)が、七十パーセントで(Ⅰ)が見えます。一日六単位でも、利用者三十人が月に八回通えば千四百四十単位、およそ一万四千円です。

口腔・栄養スクリーニング加算。六か月ごとに口腔と栄養の状態を確かめ、ケアマネジャーに情報を提供すると二十単位。手間の割に確実に算定できます。ここから栄養アセスメント加算や口腔機能向上加算へ広げていく道もあります。

取る前に、現場に確かめること

単位数だけを見て届け出ると、現場が回らなくなります。三つ確かめてください。

一つ目は、誰がその作業をするのかです。個別機能訓練加算なら、居宅を訪問して評価し、計画を作り、三か月ごとに見直します。この時間を誰の勤務のどこに入れるのか。決めずに始めると、機能訓練指導員が残業で吸収することになります。

二つ目は、記録がどこに残るのかです。加算のほとんどは、記録が無ければ算定できません。運営指導で記録を出せなければ、返還を求められます。紙で残すのか、画面で残すのか、誰がいつ入力するのか。ここを先に決めてください。

三つ目は、やめるときのことです。職員が辞めて要件を満たせなくなったとき、速やかに取り下げの届け出をしないと、不正な請求になります。要件がぎりぎりの加算は、慎重に判断してください。

届け出の期限を逃さない

加算は、届け出た月からすぐ算定できるわけではありません。毎月十五日までに届け出が受理されれば翌月から、十六日以降なら翌々月からになります。

四月から取りたい加算は、三月十五日までに出す必要があります。一日遅れると一か月分が消えます。利用者三十人の事業所で一人あたり月に四百単位なら、およそ十二万円です。

体制の加算は、要件を満たした時点ではなく、届け出た時点が基準になります。介護福祉士の割合が四月に七十パーセントを超えていたのに、届け出を六月に出したなら、算定できるのは七月からです。四月と五月と六月の三か月分は戻ってきません。

年に一度、加算の棚卸しを。

職員の入れ替わりで、要件を満たすようになった加算と、満たせなくなった加算の両方が生まれます。年度の変わり目に一度、全部の加算を見直してください。取れるのに取っていない加算が、たいてい一つか二つ見つかります。

送迎の減算は、記録が無いと防げません

送迎を行わなかった片道につき四十七単位が引かれます。利用者三十人の事業所で、月に片道二十回の送迎を行わなかったとすると、九百四十単位、およそ九千四百円が消えます。年にすると十一万円あまりです。

ここで問題になるのは、送迎をしたかどうかの記録です。運営指導では送迎の記録の提出を求められます。誰を、いつ、どこまで送ったか。手書きの記録が残っていない事業所は、算定の可否を証明できません。

送迎の記録が自動で残る形にしておくと、この心配は消えます。そして同じ仕組みから、ご家族の画面に到着の見込みを出せるようになります。送迎の記録の残し方もあわせてご覧ください。

加算を取ると、利用者の負担も増えます

忘れられがちなところです。加算の単位にも自己負担がかかります。一割負担の方で、月に四百単位の加算がつけば、およそ四百円の負担増です。三割負担の方なら千二百円になります。

金額としては小さく見えますが、説明なしに請求書が変わると、ご家族は驚きます。加算を新しく取るときは、事前に一人あたりいくら増えるかを出して、書面で説明しておいてください。支給限度額と自己負担の計算で確かめられます。

加算は、ケアマネジャーへの説明材料にもなります

加算はお金の話だけではありません。何の加算を取っているかは、その事業所が何に力を入れているかを表します。

個別機能訓練加算を取っているなら、機能訓練に人を割いているということです。口腔機能向上加算を取っているなら、食べることを見ているということです。認知症加算を取っているなら、研修を受けた職員がいるということです。

ケアマネジャーは、利用者に合う事業所を探しています。歩けるようになりたい方には機能訓練の事業所を、食べられなくなってきた方には口腔と栄養を見る事業所を紹介したい。そのとき、取っている加算が判断の材料になります。

ところが、自分の事業所の頁に加算を書いていない事業所がほとんどです。取っているのに、伝わっていない。加算の名前をそのまま並べても伝わりませんから、何ができるかの言葉に直して書いてください。「個別機能訓練加算(Ⅰ)ロ」ではなく「お一人ずつの計画を作り、機能訓練指導員が二名で見ています」。同じことを言っていますが、届き方が違います。

介護の事業所だけの、ホームページ制作です。

ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報