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高額介護サービス費。いくら戻るかの計算

所得の区分と、今月の自己負担の合計を入れてください。上限を超えた分がいくら戻るかが出ます。

入れてください

自己負担の合計は、同じ世帯の介護保険のサービス利用者全員ぶんを足した額です。食費、居住費、おむつ代、日用品費は含みません。

この結果を残しておきますか。

事業所の窓に登録すると、計算した結果を利用者や職員ごとに残して、前の月と比べられます。月 2,990 円。三十日は請求しません。

事業所の窓を見る

介護保険を使っていても、自己負担が一か月で何万円にもなることがあります。そのとき、一定の額を超えた分が後から戻る仕組みが高額介護サービス費です。申請が要ります。申請しなければ、戻りません。

いちばん大事なこと。申請しないと戻りません

この制度は、自動では始まりません。初めて上限を超えた月に、市区町村から申請の案内が届きます。その案内を出さなければ、戻る額があっても戻らないままです。

案内が届いたことに気づかないご家族が、実際におられます。介護保険の書類は毎月何通も届きますので、その中に紛れます。事業所として、上限を超えそうな方には声をかけてください。

上限額の一覧

区分一か月の上限単位
課税所得 690 万円以上の方がいる世帯140,100 円世帯
課税所得 380 万円以上 690 万円未満93,000 円世帯
市町村民税が課税されている世帯(上記を除く)44,400 円世帯
世帯の全員が市町村民税非課税24,600 円世帯
市町村民税非課税で老齢福祉年金を受けている方15,000 円個人
生活保護を受けている方など15,000 円個人

いちばん多いのは、上から三番目の 44,400 円です。年金で暮らしておられる一般的な世帯の多くがここに入ります。

世帯の全員が市町村民税非課税の場合、前年の公的年金等収入とその他の合計所得の合計が年間 80 万円以下の方などには、個人 15,000 円の区分が設けられています。該当しそうなときは、市区町村の窓口で確認してください。

どこまでが対象で、どこからが対象外か

ここを取り違えると、ご家族に嘘を伝えることになります。

対象になる対象にならない
訪問介護、通所介護、訪問看護などの自己負担施設の食費と居住費
短期入所のサービス費の自己負担通所の食事代、おやつ代
施設サービスのサービス費の自己負担おむつ代、日用品費、理美容代
福祉用具の貸与の自己負担福祉用具の購入費、住宅改修費
支給限度額を超えて全額自己負担になった分

右の列が大きい方がおられます。通所を週四回使えば、食事代だけで月に一万円近くになります。おむつ代を足すと、対象外の費用が二万円を超えることもあります。

「上限は四万四千四百円のはずなのに、六万円払っている」というご家族の疑問は、ほぼここです。請求書を対象と対象外に分けて見せると、その場で解決します。

支給限度額との関係

二つの制度を混ぜて理解している方が多いところです。順番に働きます。

  1. まず支給限度額。要介護度ごとに、一か月に使えるサービスの上限(単位)が決まっています。超えた分は保険が使えず、全額自己負担です
  2. 次に自己負担の割合。限度額の中で使ったサービスに、一割から三割を掛けます
  3. 最後に高額介護サービス費。その自己負担が上限を超えたら、超えた分が戻ります

支給限度額を超えた分は、高額介護サービス費の対象になりません。

限度額を超えて全額自己負担になった部分は、保険のサービスの自己負担ではないからです。ここは戻りません。だから支給限度額の中に収めることが、まず先にあります。

いつ戻るか

サービスを使った月から、おおむね三か月ほど後です。市区町村が、事業所からの請求(給付管理)を確認してから計算するためです。

ご家族から「まだ戻らない」と言われたときは、この時間差を説明してください。忘れられた頃に振り込まれます。

申請の期限は、サービスを利用した月の翌月一日から二年です。過ぎると受け取れません。

事業所として、いつ声をかけるか

三つの場面があります。

一、要介護度が上がったとき。限度額が増え、サービスを増やせば自己負担も増えます。要介護二から三へ上がると、限度額はおよそ七千単位増えます。一割負担でも七千円ほど、三割負担なら二万円を超える増加です。ここで上限に届く方が出ます。

二、短期入所を使い始めたとき。短期入所は単価が高く、一週間使うだけで自己負担が一気に上がります。連続して使う予定があるなら、先に伝えてください。

三、負担割合が変わったとき。介護保険負担割合証は毎年八月に更新されます。一割から二割に変わった方は、自己負担が倍になります。八月は、この制度を案内する月です。

医療と合わせる制度もあります

高額医療・高額介護合算療養費制度といいます。八月から翌年七月までの一年間で、医療保険と介護保険の自己負担を合計し、上限を超えた分が戻ります。

入退院を繰り返しておられる方、透析を受けておられる方、訪問看護を多く使っておられる方は、この制度の対象になることがあります。医療も介護も使っている方には、必ず案内してください。

ご家族に渡す一枚

この道具の印刷を使ってください。所得の区分と上限額、今月の自己負担、戻る額が一枚に収まります。

契約のときに、次の三つを紙で渡しておくと、あとの行き違いがほとんど無くなります。

お金の説明を先に済ませておくと、その後の相談が中身の話になります。

よくあるご質問
申請は毎月しなければいけませんか。

いいえ。最初の一度だけです。一度申請すると、次からは該当した月に自動で振り込まれる市区町村がほとんどです。振込先の口座を登録する形になります。

いつ戻ってきますか。

サービスを使った月から、おおむね三か月ほど後です。市区町村が事業所からの請求を確認してから計算するため、時間がかかります。「先月の分がまだ戻らない」と言われたときは、この説明をしてください。

申請には期限がありますか。

あります。サービスを利用した月の翌月一日から二年です。過ぎると受け取れません。心当たりのある方には、早めに市区町村の窓口へ行っていただいてください。

同じ世帯に二人いるときは、どう計算しますか。

世帯の区分では、同じ世帯の方の自己負担を合計してから上限と比べます。戻った額は、それぞれの負担額の割合に応じて分けて振り込まれます。世帯を分けているかどうかで結果が変わりますので、住民票の世帯で確認してください。

食費や居住費も戻りますか。

戻りません。高額介護サービス費の対象は、介護保険のサービスの自己負担だけです。食費と居住費については、施設に入っている方向けに特定入所者介護サービス費(負担限度額認定)という別の制度があります。こちらも市区町村への申請が要ります。

医療費と合わせる制度はありますか。

あります。高額医療・高額介護合算療養費制度です。一年間(八月から翌年七月)の医療と介護の自己負担を合計して、上限を超えた分が戻ります。医療も介護も使っている方は、こちらも確認してください。

出典
厚生労働省「高額介護サービス費」の負担限度額(令和 3 年 8 月改定・現行)。区分と金額は市区町村が公表する案内で確認できます
この頁の計算は上の資料に基づいています。最後の判断は指定権者の指示に従ってください。
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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報