ことわざは、いちばん長く残っている言葉です。今日の日付が分からない方でも、「石の上にも」と言えば「三年」と返ってこられます。できることを使う。それがこのレクの考え方です。
進め方
職員が前半を読み上げ、みんなで後半を答える。この形がいちばん広がります。全体に投げかけてください。一人ずつ当てていくと、答えられなかった方がつらくなります。
答えが出たら、意味を添えます。そして一言だけ足してください。「使ったことはありますか」。ここから話が広がります。
「石の上にも三年」は、奉公に出た話につながります。「早起きは三文の徳」は、農作業の話につながります。ことわざは、その方が生きてきた時代の言葉です。
答えが出ないときの助け舟
最初の一文字を言ってください。「石の上にも、さ」。これで多くの方が続けられます。
それでも出ないときは、三つの選択肢を出します。「三年、五年、十年。どれでしょうか」。選ぶ形なら答えられます。
答えを教えてしまわないでください。教えると、その方は次から考えなくなります。答えられた形で終えることが、次につながります。
難しさの決め方
ことわざは、よく知られたものほど答えやすくなります。この頁では、日常でよく使われるものだけを集めています。
それでも難しいと感じられるときは、問題の数を十に減らして、一問ずつゆっくり進めてください。数をこなすことが目的ではありません。
逆に手応えを求められる方には、意味を先に読んで、ことわざを当てていただく形もあります。「つらくても続けていれば、いつか実を結ぶ。さて、何ということわざでしょうか」。同じ紙を使って、難しさを変えられます。
認知機能との関係
ことわざを思い出す作業は、長く保たれている言葉の記憶を使います。認知症が進んでも、若いころから繰り返し聞いた言葉はよく残っています。
認知機能の評価にも、言葉を引き出す項目があります。野菜の名前をできるだけ多く挙げる、というものです。ことわざの穴埋めも、似た力を使っています。
ただし、ことわざの練習をすれば認知症が防げる、という言い方はしません。そういう証明はされていません。答えられる場面を作ること。それが目的です。
記録として残したいときは、長谷川式の採点で項目ごとに残せます。合計点ではなく、どの項目が保たれているかを見てください。保たれている力を使うのが、レクの組み立て方です。
書いていただく場合
お一人ずつ紙に書いていただく形もあります。この場合は、意味を入れずに印刷してください。意味があると、考える前に答えが分かってしまいます。
漢字で書けなくても構いません。ひらがなで書いていただいて結構です。書くこと自体が目的で、正しく書くことは目的ではありません。
その日の様子を、残しておいてください
レクの時間は、ご家族がいちばん知りたい時間です。写真を一枚と、一行の言葉。それがあるだけで伝わります。
私たちが作る事業所の頁では、写真を入れて一行書けば、その場で公開されます。介護の事業所だけのホームページ制作をご覧ください。



