計算の課題は、続けられるかどうかがすべてです。一度きりの難しい問題より、毎日できる少しの問題の方が意味があります。この頁では、押すたびに新しい問題が出ますので、同じ紙を使い回さずに済みます。
進め方
職員用に答え付きを一枚、利用者用に問題だけを人数分。これが基本の形です。丸付けをその場でする場合は、答え付きを見ながら進めます。
始める前に、一言だけ添えてください。「全部やらなくて構いません。できるところまでで結構です」。この一言があると、手が止まったときに紙を伏せてしまう方が減ります。
十分ほどで区切ります。長くやると疲れが出て、次から嫌がられます。物足りないくらいで終わる方が、翌日また取り組まれます。
難しさの決め方
目安は八割できる難しさです。全部できると手応えがなく、半分しかできないとつらくなります。
| 難しさ | 中身 | 目安 |
|---|---|---|
| やさしい | 一桁どうし | 認知機能の低下が進んでいる方、初めての方 |
| ふつう | 二桁どうし | 多くの方はここから |
| むずかしい | 繰り上がりのある三桁、二桁のかけ算 | 手応えを求められる方 |
人によって変えて構いません。同じ紙を全員に配る必要はありません。三種類を印刷しておいて、その方に合うものを渡す形が、いちばん無理がありません。
手が止まったときの助け舟
答えを教えないでください。教えると、その方は次から自分で考えなくなります。
代わりに、問題を小さく割ります。「四十七足す二十八」で止まったら、「四十七足す二十は」と聞きます。六十七が出たら、「そこにあと八を足すと」と続けます。これなら、最後の答えはご自分で出したことになります。
それでも止まるなら、その問題は飛ばします。「これは後にしましょうか」と言って次へ進みます。一問に固執すると、その紙全体が嫌なものになります。
間違いを、どう扱うか
赤で大きくバツを付けないでください。学校ではありません。
合っているところに丸を付けて、間違っているところは印を付けずに置いておきます。そして「ここをもう一度見てみましょうか」と声をかけます。ご自分で気づかれることが多くあります。
気づかれないときは、そのままで構いません。正解の数を増やすことが目的ではないからです。手を動かして、数を考えた時間があったこと。それが目的です。
計算と認知機能の関係
計算の課題は、注意を保つ力と、頭の中で数を置いておく力を使います。認知機能の評価でも、百から七を引き続ける項目があります。
ただし、計算の練習をすれば認知症が防げる、という言い方はしません。そういう証明はされていません。できることを続けていただくことが目的です。
むしろ現場で効くのは、続けているうちに変化が見えることです。先月まで十分で二十問できていた方が、同じ紙で十問になった。これは記録に残る変化です。認知機能の評価と合わせて見ると、手がかりになります。
点数として残すなら、長谷川式の採点で項目ごとに記録できます。合計点ではなく、どの項目が落ちたかを見てください。
続けるための工夫
- 日付を入れて、綴じておく。一か月分が並ぶと、ご本人にも変化が見えます
- 名前を書く欄を使う。自分の名前を書くところから始めると、切り替えになります
- 同じ時刻に行う。午前中の同じ時間にすると、習慣になります
- 全員に配らない。やりたくない方に無理に渡さない
- できた紙を、ご家族に見ていただく。持ち帰っていただくと会話が生まれます
最後の一つが効きます。ご家族は、施設で何をしているのかを知りたいと思っておられます。紙が一枚あるだけで、その日の話ができます。
行事や活動の記録を、頁に残せます
レクリエーションの様子を写真で残しておくと、ケアマネジャーとご家族に伝わります。何をしている事業所なのかが、言葉より早く分かるからです。
私たちが作る事業所の頁では、写真を入れて一行書けば、その場で公開されます。制作会社に依頼して数日待つ必要がありません。介護の事業所だけのホームページ制作をご覧ください。



