FOR FAMILIES

訪問入浴の当日。
何時に来るか。
お湯はどこから。
家族は何を準備するか。

初めて訪問入浴を使うご家族が、当日に迷わないように。来る時刻の実際、お湯と車の仕組み、前日と当日の準備を、資料と実際の記録から書きました。

まとめ: 来る時刻は枠から前後 30 分、日によって 1 時間以上動きます。お湯は入浴車のボイラーで沸かし、自宅の水道と電源を借ります。自宅の浴槽は使いません。準備は「物」「場」「体」の三つです。

部屋に専用の浴槽を組み立てているところ
浴槽は職員が運び込みます。2 畳ほどの場を空けておきます。

何時に来るか

WHAT TIME

枠は「15 時ごろ」のように決まります。実際は前後 30 分、日によって 1 時間以上動きます。

訪問入浴は 3 人で 1 台、1 件 40〜50 分、1 日 5〜8 件を回ります。前の家で 10 分長くかかれば、次の家は 10 分、その次は 20 分ずれます。オペレーターは運転と設営を一人で持つので、遅れの電話をかける手がありません。だから「30 分前後は当たり前」と業界では言われます。

実際にどれくらい動くか。要介護 5 の方を在宅で介護するご家族が公開している日記から、7 週間の到着時刻を書き出しました。

日枠来た時刻日記の言葉
7/27(月)15:0015:00同じ日に 訪問看護 9:00・歯科 10:00・リハビリ 11:50・入浴 15:00・訪問診療 16:00
8/5(水)—15:20
8/10(月)15:0015:10
8/12(水)16:0016:15
8/24(月)15:0014:40
8/26(水)16:0016:10「昼食後、通常通り待機」
8/31(月)15:0014:45歯の治療でリハビリは中止。入浴は体を拭く形に。「バスタオル 4 枚準備」
9/2(水)16:0015:00「16:00 だと思っていたので焦りました」
9/7(月)15:0015:00同じ日に 五つの訪問
9/9(水)—12:50
9/14(月)15:0014:50
9/16(月)15:0014:50
9/18(水)15:0016:00「14:50 に電話で 16:00 からの連絡」「時間の変更で、妻が混乱して騒いでいました」

要介護 5 の方を在宅で介護するご家族の、公開の日記(2026 年 7〜9 月)から。事業所名と個人名は出しません。同じ「15 時の枠」で、来た時刻は 12:50 から 16:15 まで。

早く来た日は「焦りました」、1 時間遅れた日は 10 分前の電話でご本人が混乱した、と日記にあります。時刻は約束ではなく目安です。事業所に「来る前に連絡がもらえるか」「到着の目安が分かる仕組みがあるか」を聞いておくと、当日が楽になります。

お湯はどこから来るか

HOT WATER

入浴車に積んだボイラーで沸かします。水は自宅の水道から、電気は自宅のコンセントから借ります。

入浴車には貯水タンク(200〜400 リットルほど)とボイラーがあります。到着すると、職員が自宅の蛇口にホースをつなぎ、車で温めたお湯を部屋の浴槽までホースで送ります。使ったお湯は排水ポンプで、お風呂場や外の排水口へ流します。電源は部屋か車庫のコンセントを借ります。

山あいで井戸水や山水を使っているお宅は、水の量に注意が要ります。共同の貯水タンクの水を使い切ってしまった例が、職員の投稿にあります。事前の訪問で、水と電気と排水の場所を一緒に確かめます。

自宅の浴槽は使うか。どんな車で来るか

TUB AND CAR

自宅の浴槽は使いません。専用の組み立て式の浴槽を、ベッドのそばに置きます。

浴槽は 2 つに分かれていて、部屋で組み立てます。重さは 20〜25kg ほど。だから 2 畳ほどの場と、玄関から部屋までの通り道が要ります。ベッドから浴槽へは、職員が抱えるか、板やストレッチャーで移ります。

車は浴槽とボイラーを積んだ専用の入浴車です。家の前か近くに停める場所が要ります。マンションや 2 階でも、階段を職員が運びます。エレベーターの無い高い階は、事前に相談します。

入浴車から浴槽を運び込む職員
浴槽・ポンプ・ホース・タオル。お風呂を丸ごと運びます。
部屋の浴槽で入浴の介助をしているところ
入浴そのものは 10〜15 分。準備と片付けで 40〜50 分。

当日の流れと、週に何回か

FLOW
1

到着・体調の確認(5〜10 分)

看護師が体温・血圧・脈を確かめます。難しい日は体を拭く形や部分浴に変わります。決めるのは看護師です。

2

浴槽の準備(10 分)

床に防水のシート、浴槽の組み立て、ホースをつないでお湯張り。この間に脱衣の介助。

3

入浴(10〜15 分)

洗髪・洗顔・洗身。湯につかって温まります。

4

片付け(10〜20 分)

拭き上げ、軟膏、着替え、ドライヤー。シーツの交換をしてくれる事業所もあります。排水して浴槽を運び出します。

回数は週 1〜2 回が一般的です。

介護保険の自己負担(1〜3 割)で、1 回は 1,300〜1,400 円ほど(1 割の場合)。要介護 1 以上が対象で、利用者の約 9 割は要介護 3 以上、約半分は要介護 5 です。ケアマネジャーがケアプランに入れます。事業所が無い市町村が全国の 63% あるので、地域によっては待つことがあります。

家族が準備するもの

PREP

「物」「場」「体」の三つに分けると、忘れません。どれも、来る時刻から逆算します。

物:前日までにひとまとめ

バスタオル 2〜4 枚、着替え、いつもの軟膏や保湿剤、替えのパッドやおむつ、替えのシーツ。シャンプーや石けんは事業所が持ってきます(好みのものがあれば出しておく)。

場:2 畳と、通り道

浴槽を置く 2 畳ほどの場と、玄関からの通り道を空ける。電源の位置、蛇口の位置、排水の場所、車を停める場所。冬は部屋を 30 分前から暖める。

体:食事と排泄の時間

食べてすぐの入浴は避けます。排泄は先に済ませます。当日の体調で気になることは、来たときに看護師に伝えます。熱がある日は事前に電話で相談します。

心:ご本人への一言

「そろそろ来るよ」。初めての日は緊張する方が多く、時刻の変更で混乱する方もいます。来る時刻が読めると、この一言が言えます。

来る時刻を、読めるようにするには

ARRIVAL

事業所によっては、入浴車があと何分で着くかと「そろそろ準備を」を、ご家族のスマートフォンに出す仕組みを入れています。かぞくのまどの到着予告です。ご家族はアプリを入れず、渡された URL を開くだけです。

ご家族の窓。訪問の便で、あと 2 分とそろそろ準備をが出ている
ご家族の窓(本物の画面)。「そろそろ準備を」は到着の 30 分前に出ます。暖房を入れる、場を空ける、タオルを出す合図に。

お使いの事業所に「かぞくのまどの到着予告はありますか」と聞いてみてください。無ければ、事業所向けのページをお見せください。導入は 0 円、ご家族の費用もかかりません。

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