読み物

送迎ルートの組み方。一便の軒数と所要時間の決め方

2026.09.11空音開発約 3 分で読めます

送迎の順を決めるとき、地図の上の直線距離で考えないでください。実際に走る道は、直線距離の一・五倍から一・九倍になります。私たちが市街地で測った結果です。ここでは、便の組み方を数字から決める方法を書きます。

基本は、遠い家から始めて施設へ近づく

回る順の基本は、施設から最も遠い家から始めて、施設へ向かって近づいていく形です。最後に施設へ着くので、遠い家の方が車内にいる時間が長くなります。

だから、体調の重い方や、座り続けるのがつらい方は、施設に近い側に置きます。最後の方に乗せることで、車内の時間が短くなります。

逆に、朝の支度に時間がかかる方は、遅い時刻に回した方がよいことがあります。ここは距離だけでは決まりません。ご家族の生活の時間に合わせる必要があります。

時間を計算するための三つの数字

1.5直線距離に対する実際の道のり。市街地での実測
22km/h住宅街の平均。信号と一時停止を含む
2一軒あたりの乗り降り。介助が要る方は 4 分

この三つで、一便の所要を計算できます。式は簡単です。

一便の所要 =(実際の道のり ÷ 22)× 60 +(軒数 × 乗り降りの分)

実際の道のりは、地図で測った直線距離に 1.5 を掛けたものを使います。市街地でなければ、もう少し小さい比率になります。

直線距離で合計八キロの経路なら、実際は十二キロ。時速二十二キロで三十三分。ここに六軒ぶんの乗り降り十二分を足して、四十五分。これが一便の所要です。

一便に入れる軒数は、六から七軒が上限です

八軒にすると、乗り降りだけで十六分、走る時間が三十五分ほどで、合計五十分を超えます。最初に乗った方は、五十分以上を車内で過ごすことになります。

夏と冬は、ここが問題になります。エアコンが効いていても、揺れる車内に一時間近くいるのは負担です。トイレの問題も出てきます。

二人介助が必要な方が入ると、一軒あたり四分に伸びます。その方が二人いる便では、軒数を減らしてください。六軒でも五十分を超えます。

最初に乗った方の車内時間が、便の長さをそのまま受け止めます
最初に乗った方の車内時間が、便の長さをそのまま受け止めます

出発の時刻は、受け入れの開始から逆算します

九時三十分に受け入れを始めるなら、最後の一便が九時二十五分に着く形です。一便四十五分なら、八時四十分の出発になります。

二便を回すなら、一便目は七時五十五分の出発。ここに余裕を入れないと、雨の日と渋滞の日に必ず遅れます。私たちは十分を余裕として見ておくことを勧めます。

便出発所要到着
一便(6 軒)7:5545 分+余裕 10 分8:50
二便(6 軒)8:5545 分+余裕 10 分9:25

この表を作ってみると、二便を一台で回すのが厳しい事業所が多いことに気づきます。台数を増やすか、受け入れの開始を分けるか、送迎の範囲を狭めるか。どれかを選ぶことになります。

順を組み直すときの手順

利用者が増えたり減ったりすると、順は崩れます。三か月に一度は組み直してください。手順はこうです。

六番目を飛ばさないでください。計算は目安であって、実際の道には一方通行も、朝だけ混む交差点も、車を止められない場所もあります。走ってみないと分かりません。

止められる場所を、先に確かめます

所要が延びる最大の理由は、走る時間ではなく、車を止める場所です。家の前に止められない、一度通り過ぎて回り込む、少し離れた場所に止めて歩く。これで一軒あたり三分から五分が変わります。

新しい利用者を受けるとき、契約の前に一度その家まで行ってみてください。止められる場所があるか、道幅は足りるか、朝の時間帯に一方通行にならないか。ここを確かめずに受けると、既存の便が崩れます。

ご家族に、時刻の幅を伝えます

「八時二十分ごろにお迎えに伺います」と伝えると、八時二十分に玄関で待たれます。そして少しでも遅れると電話がかかってきます。

幅で伝えてください。「八時十五分から八時三十分のあいだに伺います」。この形にすると、電話が減ります。

それでも、前のお宅で時間がかかった日には遅れます。そのときにご家族が知る手段がないと、待つしかありません。玄関で待たせるわけにいかない、目を離せない、支度をいつ始めればよいか分からない。だから電話がかかってきます。

あと何分で着くかが画面で見えるようになると、この電話が消えます。毎朝の電話をなくす方法もあわせてご覧ください。

組んだ順を、紙にしておきます

頭の中にあるだけでは、代わりの運転者が入った日に困ります。便ごとに、順番と時刻と目印を書いた一枚を作ってください。

目印の欄が効きます。青い門、角の家、駐車場の奥、ブロック塀に鉢植え。住所だけでは、初めて行く人は必ず迷います。

送迎表のひな形で、便と時刻と目印を入れて印刷できます。登録は要りません。空欄のまま印刷して、手で書き込む形でも使えます。

介護の事業所だけの、ホームページ制作です。

ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。

制作の内容と料金を見る
朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報