給食の委託先は、一度決めると数年は変えません。だから選ぶときに何を見るかが、そのあと長く効きます。ここでは、比べる項目と、契約の前に聞いておくことを整理します。
単価だけで比べないでください
見積もりを並べると、一食あたりの単価が最初に目に入ります。しかし単価の内訳が会社ごとに違うため、そのままでは比べられません。
| 確かめること | なぜ |
|---|---|
| 単価に何が含まれるか | 食材費だけか、人件費と光熱費も含むか |
| 食形態の変更に追加料金がかかるか | 刻み、ミキサー、ソフト食で加算される会社があります |
| おやつと水分は別か | 別料金のことが多くあります |
| 行事食の扱い | 年に何回まで含まれるか |
| 最低食数の定めがあるか | 下回ったときに単価が上がる契約があります |
| 食器と厨房設備は誰が持つか | 更新の費用がどちらの負担か |
最低食数の定めは、とくに確かめてください。利用者が減った月に、思わぬ請求が来ることがあります。
食形態は、いくつまで対応できますか
介護施設の給食で最も差が出るところです。常食、一口大、刻み、極刻み、ミキサー、ソフト食、ゼリー食。どこまで対応できるかを確かめます。
そして、対応できると言われた形態が、実際にどういうものかを見せてもらってください。同じ「ソフト食」でも、会社によって出来が違います。試食のときは、常食ではなく、いちばん形態の落ちたものを出してもらうことをお勧めします。
とろみの付け方も確かめます。既製のとろみ剤を使うのか、厨房で調整するのか。学会分類のどの段階に対応できるか。飲み込みが弱い方がおられる施設では、ここが安全に直結します。
アレルギーと禁食の扱い
個別対応がどこまでできるかを、具体で聞きます。
- アレルギーの代替食は、何品目まで対応できるか
- 宗教や信条による禁食への対応
- 糖尿病や腎臓病の方への対応。エネルギーや塩分の調整
- 変更の連絡は、何日前までに伝えればよいか
- 当日の急な変更(体調不良で刻みにしたい等)に応じられるか
最後の二つが実務では効きます。前日の夕方までに伝えれば変えられるのか、三日前なのか。当日の変更に応じてもらえないと、現場が困ります。
非常時の供給
災害や感染症で厨房が使えなくなったとき、どうなるかを聞いておきます。業務継続計画にも関わるところです。
- 他の拠点から運べる体制があるか。いちばん近い拠点はどこか
- 非常用の食事を備蓄しているか。何日分か
- 職員に感染が出て厨房に入れないとき、どうするか
- 断水や停電のときの対応
答えられない会社は、考えていないということです。業務継続計画に給食のことを書くとき、この答えがそのまま材料になります。
比べる表を作ってください
三社から見積もりを取り、上の項目を並べた表を作ります。会社ごとに書式が違うため、自分で表を作らないと比べられません。
そして、単価の行はいちばん下に置いてください。上から順に読んで、最後に金額を見る。この順で見ると、金額だけで決めることが減ります。
契約の前に、厨房を見せてもらいます
近くの受託先の厨房を見せてもらってください。同じ会社でも、拠点によって差があります。
見るのは三つです。清潔さ、働いている人の様子、そして下処理の場所と調理の場所が分かれているか。この三つで、だいたい分かります。
可能なら、そこで作っている食事を実際に食べている施設の方に話を聞いてください。会社の営業ではなく、使っている側の話がいちばん正確です。
切り替えたあとに見ること
契約したら終わりではありません。三か月と半年で確かめてください。
- 残食の量が変わったか。増えているなら、味か形態が合っていません
- 体重が落ちた方が出ていないか
- 職員の手間が減ったか、増えたか
- 変更の連絡がきちんと反映されているか
残食は、いちばん早く出る合図です。全体の残食が増えたら味の問題、特定の方だけなら形態の問題であることが多くあります。栄養の計算で、その方の必要量に対して足りているかを確かめられます。
ケアマネジャーとご家族は、食事を見ています
見学に来られたご家族が最も見るのが、食事です。写真を頁に載せている事業所は、それだけで有利になります。
載せるのは、行事食のごちそうではなく、ふだんの一日の食事です。特別な日ではなく、いつもの日に何が出るのか。それを知りたいからです。
そして、食形態への対応も書いてください。「刻み、ミキサー、ソフト食に対応しています」。この一行があるかどうかで、飲み込みの弱い方を担当するケアマネジャーからの相談が変わります。
ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。
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