業務継続計画を作っていないと、所定単位数から一パーセントが引かれます。金額としては大きくありませんが、作れば消えます。そして作ることそのものが、事業所を守ります。ここでは、何を作り、何を記録に残すのかを整理します。
二本立てで作ります
業務継続計画は、感染症と自然災害の二本を作ります。一本ではありません。
| 感染症 | 自然災害 | |
|---|---|---|
| 起きること | 職員と利用者に感染が広がる | 建物が使えない、道が通れない、停電 |
| 困ること | 人が足りなくなる | 場所と物資と移動ができなくなる |
| 備えるもの | 応援の体制、衛生用品、区分けの方法 | 備蓄、連絡手段、代わりの場所 |
両方に共通するのは、人が足りなくなることです。感染症では職員が休み、災害では出勤できません。どちらも、少ない人数でどこまでのサービスを続けるかを決めておく必要があります。
優先順位を決めることが、計画の中心です
職員が半分になったとき、全部のサービスは続けられません。何を続けて、何を止めるかを、あらかじめ決めておきます。
通所介護なら、まず重度の方と、ご家族が働いておられて代わりがいない方。訪問介護なら、その訪問がなければ生命に関わる方から。この順位を、平時のうちに決めておきます。
その場で決めようとすると、判断できません。決めた紙があるから、非常のときに動けます。
優先順位は、ケアマネジャーとご家族にも伝えておきます。
止めるという判断は、事業所だけではできません。止めたときに誰がその方を見るのか。ここまで話しておくのが、本当の備えです。
研修と訓練の回数
感染症と自然災害、それぞれについて研修と訓練を行います。回数は、サービスの種類によって定められています。通所系や訪問系では年に一回以上、入所系ではより多い回数が求められます。ご自分のサービスの回数は、指定権者の手引きで確かめてください。
研修は、計画の中身を職員に知らせるものです。訓練は、実際に動いてみるものです。両方が要ります。計画を読み上げただけでは、訓練になりません。
新しく入った職員には、その都度行います。年一回の研修を四月に行い、六月に入職した職員が受けていない。この状態が指摘されます。

訓練は、机の上でも構いません
大がかりな避難訓練を想像すると、手が止まります。実際には、机上での訓練も認められています。
やり方はこうです。ある場面を設定して、その場にいる職員に「あなたなら次に何をしますか」と問う。順番に答えてもらい、計画と照らします。三十分で終わります。
- 夜中に震度六の地震。翌朝、職員の半分が出勤できない。今日の通所をどうしますか
- 職員一人に発熱。前日に何人と接触していますか。誰に連絡しますか
- 台風で午後から警報。送迎をどうしますか。誰が判断しますか
- 停電が三日続く。冷蔵庫の中身と、電動ベッドと、連絡手段はどうしますか
この形なら、実際に人が動く訓練より頻繁に行えます。そして、計画の穴が見つかります。答えられない問いが出たら、そこが計画の弱いところです。
記録に残す項目
| 項目 | 書くこと |
|---|---|
| 日時 | 年月日と時刻 |
| 種類 | 感染症か自然災害か。研修か訓練か |
| 方法 | 実地か机上か。使った資料 |
| 設定した場面 | 訓練の場合、どんな想定で行ったか |
| 参加者 | 全員の名前。欠席者への伝達も |
| 気づいたこと | 計画の穴、答えられなかった問い |
| 計画の見直し | 気づいたことを受けて、どこを直したか |
最後の欄がいちばん大事です。訓練をして終わりではなく、計画を直したところまで残します。これがあると、計画が生きているものだと分かります。
備蓄は、量より場所です
水と食料を何日分、という話になりがちですが、それより先に確かめてほしいことがあります。どこに何があるかを、全員が知っているかです。
備蓄庫の鍵を管理者だけが持っている。夜勤の職員が場所を知らない。この状態では、備蓄がないのと同じです。
訓練の中で、実際に備蓄庫を開けて中身を見る時間を作ってください。それだけで、備蓄は使えるものになります。賞味期限の確認も、その場でできます。
小さな事業所でも作れます
厚生労働省がひな形を公表しています。それを埋めていけば形にはなりますが、埋めるだけでは使えるものになりません。
最低限、次の四つだけは自分の事業所の言葉で書いてください。ここさえあれば、あとは追加していけます。
- 連絡網。誰が誰に、どの順で連絡するか。電話が通じないときの代わりの手段も
- 優先順位。人が足りないとき、誰への支援を先に続けるか
- 判断する人。管理者が来られないとき、誰が決めるか。二番目、三番目まで決めておく
- 備蓄の場所と鍵。誰が開けられるか
この四つが書かれた一枚を、事務所の壁と、各車両と、職員の手元に置く。それが計画の実体です。分厚い冊子は、非常のときに読まれません。
送迎中に何かあったときのことも
通所介護では、送迎の途中で災害が起きることがあります。利用者を乗せたまま道が塞がった、車が動けなくなった。
このとき困るのは、どの車がどこにいるかが分からないことです。運転者の携帯に電話をかけても、運転中なら出られません。
車の位置が事業所の画面で見えていれば、状況の把握が速くなります。誰が乗っていて、今どこにいて、次にどこへ向かうはずだったか。ご家族への連絡も、それが分かってから行えます。
私たちが作っている到着予告の仕組みは、平時はご家族への案内のためのものですが、非常のときには居場所を知る手段になります。介護の事業所のホームページ制作のオプションとしてお付けできます。業務継続計画の中に、位置を確かめる手順を一行入れておくと、訓練でも使えます。
ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。
制作の内容と料金を見る


