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介護の BCP(業務継続計画)。研修と訓練の記録に何を残すか

2026.09.11空音開発約 4 分で読めます

業務継続計画を作っていないと、所定単位数から一パーセントが引かれます。金額としては大きくありませんが、作れば消えます。そして作ることそのものが、事業所を守ります。ここでは、何を作り、何を記録に残すのかを整理します。

二本立てで作ります

業務継続計画は、感染症と自然災害の二本を作ります。一本ではありません。

感染症自然災害
起きること職員と利用者に感染が広がる建物が使えない、道が通れない、停電
困ること人が足りなくなる場所と物資と移動ができなくなる
備えるもの応援の体制、衛生用品、区分けの方法備蓄、連絡手段、代わりの場所

両方に共通するのは、人が足りなくなることです。感染症では職員が休み、災害では出勤できません。どちらも、少ない人数でどこまでのサービスを続けるかを決めておく必要があります。

優先順位を決めることが、計画の中心です

職員が半分になったとき、全部のサービスは続けられません。何を続けて、何を止めるかを、あらかじめ決めておきます。

通所介護なら、まず重度の方と、ご家族が働いておられて代わりがいない方。訪問介護なら、その訪問がなければ生命に関わる方から。この順位を、平時のうちに決めておきます。

その場で決めようとすると、判断できません。決めた紙があるから、非常のときに動けます。

優先順位は、ケアマネジャーとご家族にも伝えておきます。

止めるという判断は、事業所だけではできません。止めたときに誰がその方を見るのか。ここまで話しておくのが、本当の備えです。

研修と訓練の回数

感染症と自然災害、それぞれについて研修と訓練を行います。回数は、サービスの種類によって定められています。通所系や訪問系では年に一回以上、入所系ではより多い回数が求められます。ご自分のサービスの回数は、指定権者の手引きで確かめてください。

研修は、計画の中身を職員に知らせるものです。訓練は、実際に動いてみるものです。両方が要ります。計画を読み上げただけでは、訓練になりません。

新しく入った職員には、その都度行います。年一回の研修を四月に行い、六月に入職した職員が受けていない。この状態が指摘されます。

備蓄は、量よりも「どこに何があるか」を全員が知っていることが大事です
備蓄は、量よりも「どこに何があるか」を全員が知っていることが大事です

訓練は、机の上でも構いません

大がかりな避難訓練を想像すると、手が止まります。実際には、机上での訓練も認められています。

やり方はこうです。ある場面を設定して、その場にいる職員に「あなたなら次に何をしますか」と問う。順番に答えてもらい、計画と照らします。三十分で終わります。

この形なら、実際に人が動く訓練より頻繁に行えます。そして、計画の穴が見つかります。答えられない問いが出たら、そこが計画の弱いところです。

記録に残す項目

項目書くこと
日時年月日と時刻
種類感染症か自然災害か。研修か訓練か
方法実地か机上か。使った資料
設定した場面訓練の場合、どんな想定で行ったか
参加者全員の名前。欠席者への伝達も
気づいたこと計画の穴、答えられなかった問い
計画の見直し気づいたことを受けて、どこを直したか

最後の欄がいちばん大事です。訓練をして終わりではなく、計画を直したところまで残します。これがあると、計画が生きているものだと分かります。

備蓄は、量より場所です

水と食料を何日分、という話になりがちですが、それより先に確かめてほしいことがあります。どこに何があるかを、全員が知っているかです。

備蓄庫の鍵を管理者だけが持っている。夜勤の職員が場所を知らない。この状態では、備蓄がないのと同じです。

訓練の中で、実際に備蓄庫を開けて中身を見る時間を作ってください。それだけで、備蓄は使えるものになります。賞味期限の確認も、その場でできます。

小さな事業所でも作れます

厚生労働省がひな形を公表しています。それを埋めていけば形にはなりますが、埋めるだけでは使えるものになりません。

最低限、次の四つだけは自分の事業所の言葉で書いてください。ここさえあれば、あとは追加していけます。

この四つが書かれた一枚を、事務所の壁と、各車両と、職員の手元に置く。それが計画の実体です。分厚い冊子は、非常のときに読まれません。

送迎中に何かあったときのことも

通所介護では、送迎の途中で災害が起きることがあります。利用者を乗せたまま道が塞がった、車が動けなくなった。

このとき困るのは、どの車がどこにいるかが分からないことです。運転者の携帯に電話をかけても、運転中なら出られません。

車の位置が事業所の画面で見えていれば、状況の把握が速くなります。誰が乗っていて、今どこにいて、次にどこへ向かうはずだったか。ご家族への連絡も、それが分かってから行えます。

私たちが作っている到着予告の仕組みは、平時はご家族への案内のためのものですが、非常のときには居場所を知る手段になります。介護の事業所のホームページ制作のオプションとしてお付けできます。業務継続計画の中に、位置を確かめる手順を一行入れておくと、訓練でも使えます。

介護の事業所だけの、ホームページ制作です。

ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報