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施設の献立の栄養価を、その場で確かめる方法

2026.09.11空音開発約 4 分で読めます

管理栄養士がいる施設なら、専用の仕組みがあります。問題は、いない事業所です。通所介護の多くは、給食を外から取るか、その日の職員が作るかのどちらかで、栄養価を確かめる手立てを持っていません。ここでは、その手立てを作る方法を書きます。

全部の献立を計算する必要はありません

毎日の献立を全部計算しようとすると、続きません。次の三つだけで、ずいぶん見えるようになります。

一度計算すると、自分の施設の献立の癖が分かります。癖は毎日同じですから、一度分かれば以後は同じ手当てで足ります。

いちばん多い形

私たちが見てきたかぎり、いちばん多いのはたんぱく質と食物繊維が足りず、食塩が多い形です。

汁物が二品ある、漬物が付く、煮物の味付けが濃い。これで食塩が上がります。一方、主菜が小さく、野菜が煮物に偏っていると、たんぱく質と食物繊維が足りません。

そのときは、汁を一つ減らして、牛乳か卵を一つ足す。それだけで両方が同時に良くなります。手当ては一つで足りることが多いのです。

計算に使う数値は、八訂のものです

食品成分表は、七訂から八訂で大きく変わりました。二つ覚えておいてください。

一つ目は、エネルギーの計算方法です。それまでは食品ごとの換算係数を使っていましたが、八訂では組成に基づく方法に変わりました。その結果、ごはんは百グラムあたり百六十八キロカロリーから百五十六キロカロリーになりました。全体としてエネルギーは低めに出ます。

二つ目は、食物繊維の測り方です。じゃがいもは 1.3 グラムから 8.9 グラムになりました。七倍近い違いです。古い資料の数字と並べて比べないでください。

手元の古い資料を使わないでください。

厨房に置いてある成分表が七訂のものだと、計算した数字が今の基準と合いません。とくに食物繊維は、比べようがないほど違います。

その場で計算できる道具

食品成分表の 2,538 品目を載せた道具を用意しました。栄養の計算の「献立の計算」です。

使い方は簡単です。対象の方の年齢と体重を入れ、食品を名前で探して量を入れる。よく使う食品はボタン一つで足せます。合計が出て、その方の一日の必要量に対する充足率が栄養素ごとに帯で出ます。

出るのは、エネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食物繊維、食塩相当量、カリウム、カルシウム、鉄、亜鉛、ビタミン A・D・B1・B2・B12・C、葉酸。食塩だけは、百パーセントを超えないよう色が変わります。

印刷と CSV への書き出しもできます。登録は要りません。入れた内容はお使いの端末の中だけで扱い、送信も保存もしていません。

成分表の名前で探すときのこつ

成分表の食品名は、独特の書き方をしています。慣れるまでは見つけにくいかもしれません。

探すもの成分表での名前
ごはんこめ [水稲めし] 精白米 うるち米
じゃがいも<いも類> じゃがいも 塊茎 皮なし 生
あじ<魚類> (あじ類) まあじ 皮つき 生
豚もも肉<畜肉類> ぶた [大型種肉] もも 脂身つき 生
牛乳<牛乳及び乳製品> (液状乳類) 普通牛乳

魚と野菜は、ひらがなで書かれていることが多くあります。「さば」「ほうれんそう」「にんじん」。漢字で探して見つからないときは、ひらがなでお試しください。

そして、生か、ゆでか、焼きかで数値が変わります。ゆでると水分が入って重さあたりの栄養が薄まり、焼くと水分が飛んで濃くなります。実際に出す形に近いものを選んでください。

一食ぶんを入れたときの見方

道具に出る充足率は、一日ぶんの目標に対する割合です。一食ぶんだけを入れたときは、三分の一を目安にしてください。

昼食だけを出している通所介護なら、三十三パーセント前後になっていれば妥当です。たんぱく質だけは、朝と夕に入りにくいことを考えて、少し多めを狙う方がよいと考えます。

委託している場合も、確かめられます

給食を委託していると、栄養価は委託先が管理しています。ただし、実際に出されたものと、献立表に書かれたものが同じとは限りません。

三か月に一度でよいので、実際に出た一日ぶんを自分で計算してみてください。委託先の栄養価の表と照らして、大きく違わないかを確かめます。違っていたら、量なのか、内容なのかを聞きます。

これは委託先を疑うということではありません。数字を持って話せるようになると、要望が通りやすくなります。「もう少したんぱく質を」ではなく「主菜を十グラム増やせませんか」と言えます。

記録として残す意味

栄養ケア・マネジメントに関わる加算を取っている事業所では、記録が要件になります。取っていない事業所でも、記録があると運営指導で説明ができます。

そして何より、体重が落ちた方が出たときに、原因を探せます。献立の栄養価が分かっていれば、出している量が足りないのか、その方が食べていないのかを切り分けられます。

低栄養のサインと、体重が測れないときの見方もあわせてご覧ください。計算と記録は、対になって初めて役に立ちます。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報