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低栄養のサインと、体重が測れないときの見方

2026.09.11空音開発約 4 分で読めます

低栄養は、少しずつ進みます。ある日突然分かるものではなく、気づいたときには筋肉が減り、転びやすくなっています。ここでは、早く気づくためのサインと、体重が測れない方をどう見るかを書きます。

低栄養は、太っている方にも起こります

最初にここを押さえてください。体重があっても、たんぱく質が足りていないことがあります。ごはんと麺は食べるが、肉と魚と卵をほとんど食べない。この形では、体重は保たれてもたんぱく質は足りません。

BMI だけを見ていると見落とします。何を食べているかを見てください。

体重の減り方の目安

期間注意する減り方
1 か月3% 以上
3 か月5% 以上
6 か月10% 以上

体重五十キログラムの方なら、半年で五キログラムです。ただし、そこまで待つ必要はありません。半年で三パーセント、つまり一・五キログラム減っていたら、その時点で理由を探してください。

ここで気づけると、食事の形や量を変えるだけで戻せることがあります。放っておくと、筋肉が減り、転びやすくなり、骨が折れ、入院につながります。入院すればさらに落ちます。この連鎖に入る前が勝負です。

体重以外のサイン

次のうち二つ以上が重なったら注意してください。

主菜を残すというのは、たんぱく質が入らなくなっているということです。ごはんは食べているから大丈夫、とはなりません。何を残しているかまで記録してください。

体重が測れないときの見方

立てない方の体重は、車椅子ごと量れる体重計がなければ測れません。訪問の現場では、そもそも体重計が家にないこともあります。

ふくらはぎの周囲。いちばん太いところを巻き尺で測ります。三十センチメートルを下回るときは、筋肉が減っている可能性を考えます。巻き尺一本でできて、月ごとの変化も追えます。

上腕の周囲。二の腕のいちばん太いところ。こちらも巻き尺で測れます。

目と手で見る。二の腕を軽くつまんだときの厚み、こめかみのくぼみ、肩の骨の出方、鎖骨のくぼみ。毎日会っている職員は、変化に気づきます。

数字が取れないことより、記録が途切れることの方が問題です。巻き尺の数字でも、衣服のゆるみの記録でも、続けられる形を選んでください。

逆に、急に増えたときも見ます

急に二キログラム増えたなら、脂肪ではなく水です。脂肪は二週間で二キログラム増えません。

むくみを疑ってください。足のすねを指で押して、へこみが戻らなければむくみです。心臓や腎臓の側に理由があるかもしれませんので、医師に伝えてください。

気づいたあとに、何をするか

順番があります。

一、食べていないのか、食べても減るのか。食事量の記録と体重を突き合わせます。食べているのに減るなら、体の側に理由があります。医師に相談してください。

二、食べていないなら、なぜか。むせる、噛めない、味が分からない、便が出ない、薬が変わった、うつ気味、口の中が痛い。理由によって手が違います。

三、量を増やす前に、密度を上げる。同じ一膳に油を少し足す、汁に牛乳を使う。見た目の量は変わらないのに中身が増えます。食が細い方に有効です。

四、回数を分ける。三食で足りないなら、十時と三時に少しずつ。一度に多く出すより、結局たくさん入ります。

五、姿勢を直す。足が床に着いていること、テーブルの高さが合っていること。背もたれに寄りかかったままだと飲み込みにくくなります。

見落とされやすい三つ

亜鉛。足りないと味を感じにくくなり、その結果さらに食べなくなります。肉、魚、卵、豆に含まれます。薬の影響でも起きますので、医師に相談してください。

便秘。便が出ないと食欲は落ちます。食物繊維と水分の両方が要ります。繊維だけ増やして水が足りないと、かえって固くなります。

薬。新しい薬が始まってから食べなくなった。この順番に気づけるのは、毎日見ている職員だけです。お薬手帳を確かめてください。

記録の形を、続けられるものにします

毎日すべてを記録しようとすると、続きません。次の三つだけで十分です。

この三つが半年並ぶと、変化が見えます。逆に、一か月だけ詳しく記録して途切れたものは、比べられません。

記録した食事の内容から、実際にどれだけ入っているかを確かめたいときは、栄養の計算の献立の計算が使えます。食品成分表の 2,538 品目から選んで、その方の必要量に対する充足率が出ます。

ご家族にも、伝えてください

低栄養は、ご家族が最も気づきやすい立場にあります。毎日会っていないぶん、変化が見えるからです。

「最近、痩せられたように思いますが、いかがですか」。この一言をかけるだけで、ご家族の側から情報が出てきます。家では何を食べているのか、食欲はどうか。施設で見えている半分の情報しか、私たちは持っていません。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報