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令和 8 年 6 月の介護報酬改定を、事業所がやることだけで説明します

2026.09.11空音開発約 5 分で読めます

令和八年六月一日に、臨時の介護報酬改定が行われました。三年に一度の定期の改定ではありません。介護に従事する職員の賃上げを目的とした改定で、改定率は全体で二・〇三パーセント、うち処遇改善の分が一・九五パーセントとされました。この記事では、制度の解説ではなく、事業所が実際にやることだけを順に書きます。

基本の単位数は変わっていません

最初にここを押さえてください。通所介護の基本報酬も、訪問介護の基本報酬も、据え置かれています。入浴介助加算も、個別機能訓練加算も、単位数はそのままです。

変わったのは、介護職員等処遇改善加算だけです。ですから、加算の一覧を作り直す必要はありません。処遇改善加算のところだけを見直せば足ります。

次の定期の改定は令和九年度です。そちらは基本報酬から全部が動きますので、備えは別に必要になります。

変わった四つ

変わったこと中身
対象が広がった介護職員だけだった対象が、介護に従事する職員全体へ広がりました
加算率が上がった全対象サービスで引き上げられました。訪問介護のⅠイは 24.5% から 27.0% です
区分が増えたⅠロ・Ⅱロが新設されました。上乗せの要件を満たす事業所向けです
対象サービスが増えた訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援が新たに対象になりました

四番目は大きい変更です。これまで処遇改善加算の対象外だった訪問看護と居宅介護支援が、今回から対象になりました。該当する事業所は、新しく計画書を出すところから始まります。

届け出は毎月十五日が節目です。一日遅れると一か月分が動きます
届け出は毎月十五日が節目です。一日遅れると一か月分が動きます

事業所がやること、順番に

一、自分のサービス種別の加算率を、告示か指定権者の通知で確かめる。まとめサイトの数値を根拠にしないでください。率が一つ違うと、年間で数十万円の差になります。

二、今の区分のまま行くか、上の区分を目指すかを決める。新設されたⅠロ・Ⅱロには上乗せの要件があります。生産性の向上に関わる取り組みなどが含まれますので、今やっていることが当てはまらないかを見てください。

三、計画書を作って出す。提出の期限は指定権者によって違います。年度の途中で区分を変える場合の期限も別にありますので、必ず確かめてください。

四、配分の方法を決める。対象が広がったぶん、配る先が増えます。これまで介護職員だけに配っていた事業所は、配分の考え方から作り直すことになります。

五、就業規則と賃金規程を直す。手当の名前や支給の条件を変えるなら、規程の改定が要ります。職員への周知も必要です。

六、職員に説明する。いくら増えるのか、いつから増えるのか。ここを伝えないと、制度の目的が達せられません。

配る先が増えることの意味

対象が介護に従事する職員全体へ広がったということは、これまで対象外だった職種にも配れるようになったということです。

事業所によって事情は違いますが、看護職員、機能訓練指導員、生活相談員、送迎の運転者、調理の職員。誰をどこまで含めるかは、事業所が決めます。

ここで気をつけたいのは、一人あたりの額が薄まることです。加算の総額は増えていますが、配る人数も増えます。これまで介護職員だけに配っていた事業所で、単純に人数で割り直すと、介護職員の手取りが減ることがあります。

配分は事業所が決められますので、そうならない形にすることもできます。ただし、決めた根拠を残してください。「なぜこの配り方にしたのか」を説明できるようにしておくことです。

職員への説明で、いちばん効くこと

金額を伝えることです。「処遇改善加算の区分が上がりました」では伝わりません。「来月から、月に○円の手当が増えます」と伝えます。

給与明細に手当の名前で出す方法が、いちばん確実です。基本給に混ぜてしまうと、増えたことが見えなくなります。見えない賃上げは、賃上げとして受け取られません。

そして、この情報は採用でも効きます。求人の頁に「処遇改善加算(Ⅰ)を算定しています」と書いても、応募する側には伝わりません。「加算で受け取った分は、全額を毎月の手当としてお渡ししています」と書けば伝わります。

改定のたびに、頁を直していますか

介護報酬が改定されると、利用料が変わります。事業所の頁に料金の目安を載せているなら、そこも直す必要があります。今回は基本報酬が据え置かれたため、多くの事業所では変わりません。ただし処遇改善加算の率が上がった分、利用者の自己負担はわずかに増えます。

重要事項説明書のウェブ掲載が義務になったこともあり、頁の内容と実際が食い違っていると指摘の対象になります。改定のたびに直す箇所を、あらかじめ決めておいてください。

私たちが作る事業所の頁は、管理の窓から書き換えると、その場で公開面が変わります。制作会社に依頼して数日待つ、ということがありません。重要事項のウェブ掲載についてもまとめています。

訪問看護と居宅介護支援が新しく対象になりました

これまで処遇改善加算の対象外だった訪問看護、訪問リハビリテーション、居宅介護支援が、今回から対象になりました。該当する事業所にとっては、制度そのものが新しく始まる形になります。

やることは、ほかのサービスと同じです。キャリアパスの整備、研修の実施、昇給の仕組み、職場環境等の要件。そして計画書を出し、配って、実績報告書を出す。

これまで対象外だったということは、就業規則や賃金規程に処遇改善のための仕組みが入っていない可能性があります。まず規程を見てください。職位ごとの役割と、それに対応する賃金の考え方が書かれているか。書かれていなければ、そこから始めます。

居宅介護支援は、事業所の規模が小さいところが多くあります。ケアマネジャー一人か二人という事業所でも、要件を満たせば算定できます。規模の小ささは、要件を満たせない理由になりません。

改定の情報を、どこで取るか

まとめサイトの数値を根拠にしないでください。この記事も含めて、二次的な情報です。実際の判断は、次の三つで行ってください。

集団指導の資料は、指定権者のサイトに掲載されることが多くあります。参加できなかった年も、資料だけは必ず目を通してください。運営指導で見られる観点が、そこに書かれています。

令和九年度の改定に備えて

次は定期の改定です。基本報酬、加算の単位数、算定要件、そのすべてが動く可能性があります。

備えとしてできることは二つです。一つは、今の加算の算定状況を一枚にまとめておくこと。改定のときに、何が変わって何が変わらないのかを照らし合わせられます。もう一つは、記録の形を整えておくことです。要件が変わったときに、記録の項目を足すだけで対応できる形にしておくと、慌てずに済みます。

加算の早見で、いま取っている加算を選んで印刷しておくことをお勧めします。改定のときの出発点になります。

介護の事業所だけの、ホームページ制作です。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報