常勤換算の計算シートは、毎月作るものです。指定を受けるときだけのものではありません。人員基準を満たしているかは月ごとに見られますし、加算の要件にも常勤換算が出てきます。この記事では、シートに入れる項目と、Excel での組み方、そして計算をその場で済ませる方法を書きます。
シートに入れる項目
| 項目 | 入れる理由 |
|---|---|
| 対象の期間 | 一週間ぶんか、四週間ぶんか、一か月ぶんか。ここを書かないと後で分からなくなります |
| 常勤の職員が勤務すべき時間 | 就業規則で定めた時間。32 時間を下回るときは 32 時間を使います |
| 職員の名前 | 資格の欄も並べておくと、加算の要件を数えるときにそのまま使えます |
| 職種 | 兼務している職員は職種ごとに行を分けます |
| 常勤か非常勤か | 常勤の人数も別に数える必要がある基準があります |
| 勤務時間 | 休憩を除いた実際の勤務時間 |
| 合計と常勤換算数 | 合計 ÷ 基準時間。小数点第 2 位より下は切り捨て |
資格の欄を並べておくことをお勧めします。サービス提供体制強化加算では介護福祉士の割合を数えますし、認知症加算では研修修了者の配置を見ます。別の表を作らずに済みます。
Excel で組むときの式
計算そのものは一行です。合計を基準時間で割るだけ。ただし二つだけ、式に組み込んでおきたい処理があります。
一、32 時間の読み替え
基準時間のセルを直接使わず、=MAX(基準時間, 32) を経由させます。これで、週 30 時間と入れても 32 で割られます。
二、小数点の切り捨て
四捨五入ではありません。=ROUNDDOWN(合計/基準, 2) です。ROUND を使うと 2.499 が 2.5 になり、基準を満たしているように見えてしまいます。
この二つを式に入れておけば、毎月の計算で間違えません。手で計算し直す事業所ほど、この二つで間違えています。
32 時間を下回るときの読み替え
就業規則に定めた常勤の勤務すべき時間が週 32 時間を下回るときは、32 時間を基準にして計算しなければなりません。
たとえば週 30 時間を常勤と定めた事業所が、勤務延べ時間 75 時間を 30 で割って 2.5 と出したとします。これは誤りで、正しくは 32 で割って 2.34 です。基準が 2.5 なら、この時点で足りていません。
短い時間を常勤と定めれば常勤換算数が増えるように見えますが、そうはならない仕組みになっています。

小数点は第二位より下を切り捨てます
2.499 は 2.49 であって 2.5 にはなりません。訪問介護の訪問介護員等のように「常勤換算で 2.5 人以上」と決まっているサービスでは、この一桁で基準を満たすかどうかが変わります。
逆に言えば、2.5 ちょうどを狙って組んだ勤務表は危ういということです。誰かが半日休んだだけで下回ります。運営指導では月ごとに見られますから、少し余裕を持たせた組み方をお勧めします。
数え方を間違えやすいところ
休憩の時間。数えません。八時間の勤務で一時間の休憩があるなら、七時間として足します。タイムカードの拘束時間をそのまま足すと、実際より大きな数字が出ます。運営指導で最初に見られるのがここです。
兼務している職員。職務ごとに時間を分けます。管理者と介護職員を兼ねている方が週 40 時間働いていて、そのうち管理の仕事が 10 時間なら、介護職員としては 30 時間で数えます。同じ時間を二つの職務に重ねて数えることはできません。シートでは行を分けてください。
研修と移動の時間。事業所の指示で受ける研修の時間や、訪問系サービスでの移動の時間は、サービスの提供のための準備等にあたるものとして数えられる場合があります。扱いは指定権者によって差がありますので、迷ったら確認してください。
育児のための短時間勤務。育児・介護休業法による所定労働時間の短縮の措置を受けている職員が、週 30 時間以上勤務しているときは、常勤として扱えます。実際の勤務時間ではなく、常勤の一人として数えます。
産前産後休業や育児休業。休業に入った常勤職員の代わりに、同じ資格を持つ複数の非常勤職員を置いて常勤換算で満たす方法が認められています。人が一人抜けたからといって、すぐに基準を欠くわけではありません。
期間をそろえないと、答えが四倍ずれます
勤務延べ時間を四週間ぶんで足したのに、割る数を一週間ぶんのままにしてしまう。よくある間違いです。四週間ぶんの 400 時間を週 40 時間で割ると 10 になりますが、正しくは 160 時間で割って 2.5 です。
どちらの期間で数えるかは、指定権者の様式に合わせてください。多くの自治体は四週間ぶんの勤務表を求めます。月ごとに数えるときは、その月の暦日数を七で割って週数を出し、常勤の週の時間に掛けます。三十一日の月なら 40 × 31 ÷ 7 で 177.1 時間です。
Excel を作らずに済ませる方法
毎月の計算のためだけに Excel を組むのは、それ自体が手間です。人数が変わるたびに行を足し、式が壊れていないかを確かめることになります。
入力するだけで常勤換算数が出る道具を用意しました。常勤換算の計算です。32 時間の読み替えも、小数点の切り捨ても、期間のそろえも、式に組み込んであります。訪問介護と訪問看護の 2.5 を選ぶと、足りているかどうかまで判定します。
登録は要りません。入れた内容はお使いの端末の中だけで扱い、送信も保存もしていません。印刷して勤務表と一緒に綴じることもできます。
運営指導で見られるところ
常勤換算そのものより、その根拠になる勤務表を見られます。実際に見られるのは次の四点です。
- 勤務予定ではなく、実際に働いた時間で作られているか
- 休憩の時間が除かれているか
- 兼務している職員の時間が職務ごとに分かれているか
- 常勤の職員が勤務すべき時間が、就業規則の定めと合っているか
いちばん多い指摘は、勤務表と実際の勤務が合っていないことです。予定表をそのまま提出してしまい、当日の変更が反映されていない。ここを直すだけで、指摘の多くは消えます。
月が変わる前に、その月の実際の勤務で計算し直す。この習慣が付けば、運営指導の準備はほとんど要らなくなります。
サービスごとに必要な常勤換算数
| サービス | 職種 | 必要な数 |
|---|---|---|
| 訪問介護 | 訪問介護員等 | 2.5 以上 |
| 訪問看護ステーション | 看護職員 | 2.5 以上(うち 1 人は常勤) |
| 通所介護 | 介護職員 | 利用者 15 人まで 1 人、以降 5 人ごとに 1 人 |
| 通所介護 | 生活相談員 | 提供時間数と同じ時間以上 |
訪問看護には「うち一人は常勤」という条件が付きます。非常勤ばかりを集めて 2.5 を超えても、常勤が一人もいなければ基準を満たしません。数字だけを見て安心しないでください。人員基準の確認で、サービスごとの必要数を確かめられます。
足りなかったときに、まずできること
いきなり採用に走る前に、三つ試してください。
一つ目は、数え方の確認です。休憩を引き忘れて実際より少なく出ていることがあります。まず勤務表を疑ってください。
二つ目は、今いる職員の時間を増やすことです。週二十時間の方を週二十四時間にするだけで、常勤換算では 0.1 増えます。新しく一人採るより、はるかに早く、確実です。
三つ目は、兼務の見直しです。管理者が管理の仕事に使っている時間を減らせないか。事務作業を仕組みで減らせれば、その分が現場の時間になります。
それでも足りないときに、採用です。介護の求人は、求人サイトを見た人が事業所の名前で検索してから応募します。自分の事業所の頁で、仕事の内容と勤務の形が分かるようにしておくと、応募が来る確率が変わります。人員基準の話は、採用の話と地続きです。
ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。
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