送迎中に起きる事故の多くは、走行中ではありません。玄関から車まで、車から玄関まで。この数メートルで起きています。ここでは、そこを減らすための決め方を書きます。
危ないのは、数メートルの区間です
転倒、車との接触、車椅子からの転落、リフト操作中の挟み込み。送迎で起きる出来事は、ほとんどが乗り降りの場面に集まります。
理由は三つあります。段差があること、職員の手が塞がっていること、そして急いでいることです。三つとも、便の組み方で減らせます。
二人介助の方を、同じ便に集めない
二人介助が必要な方が二人同じ便にいると、添乗者がいても手が足りません。一人を介助しているあいだ、もう一人と、車内の他の方から目が離れます。
曜日ごとの顔ぶれを見て、便に散らしてください。同じ曜日に二人来られるなら、別の便に分けます。分けられないなら、その便だけ添乗者を二人にします。
車椅子の方は、一便に二人までを目安に
リフトの操作には時間がかかります。一人あたり五分から七分。三人入れると、その便だけ二十分ほど長くなります。
そして、乗せる順番があります。往路では、車椅子の方を後の方に乗せると、最初に乗った方の車内時間が延びません。ただし復路では、後に乗せた方が先に降りることになります。
往路と復路で順が変わるのは当然のことです。揃えようとすると必ず無理が出ますので、往路と復路は別の表として組んでください。

添乗者を付けるかどうかの判断
判断の基準は、玄関から車までの介助が要る方が何人いるかです。
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 全員が自力で歩ける | 運転者ひとりで可 |
| 見守りが要る方が一人か二人 | 運転者ひとりで可。ただし車内から目を離さない位置に |
| 手引きの介助が要る方がいる | 添乗者を付けることが望ましい |
| 二人介助が要る方がいる | 添乗者が必要 |
| 車椅子の方がいる | 添乗者が必要。リフト操作中は車内から目が離れます |
添乗者を付けられない事業所では、二人介助の方を同じ便に集めず、便を分ける方法があります。送迎表には、どの便に添乗者を付けるかを曜日ごとに書いておいてください。
置き去りを防ぐ確認
令和五年以降、送迎の置き去りを防ぐための確認と、安全計画の作成が求められています。手順を決めて、書いておく必要があります。
決めることは三つです。
一、乗車のときに誰が何を確認するか。名簿と照らして、乗せた方に印を付ける。運転者が付けるのか、添乗者が付けるのか。
二、降車のときに車内をどう見るか。座席の数だけ見る、最後列まで歩いて見る、といった具体の動作まで書きます。「確認する」だけでは、人によって動作が変わります。
三、確認した記録をどこに残すか。送迎表に印を付けるのか、別の記録を作るのか。
「最後列まで歩いて見る」と書いてください。
運転席から振り返って見る、では見えない座席があります。降りて、最後列まで歩いて、座席の下まで見る。この動作を手順に書いておくと、新しい人でも同じことができます。
安全計画に書くこと
送迎に関わる部分として、次を書いておきます。
- 乗降時の介助の手順。段差、車椅子、リフトの操作
- 乗車と降車の確認の方法と、記録の残し方
- 事故が起きたときの連絡の順番。事業所、家族、主治医、保険
- 車両の点検の頻度と、点検する項目
- 運転者への研修の内容と回数
- 急病が起きたときの判断。救急を呼ぶ基準
連絡の順番だけは、電話番号と一緒に一枚にまとめて車に置いてください。事故のときに、計画書を探す時間はありません。
急いでいるときが、いちばん危ない
前のお宅で時間がかかって、次のお宅に遅れている。この状態がいちばん危険です。焦って介助が雑になり、確認が飛びます。
だから、遅れを減らすことが安全の対策になります。一便の軒数を減らす、余裕の時間を入れる、順を組み直す。送迎ルートの組み方で計算の方法を書いています。
そして、遅れたときにご家族へ知らせる手段があると、運転者の焦りが減ります。「遅れています」と電話をかけるために車を止める必要がなくなるからです。
事業所の画面で車の位置が見えていれば、遅れは事務所の側が気づけます。ご家族への連絡も事務所からできます。運転者は運転に集中できます。介護の事業所のホームページ制作のオプションとして、この仕組みをお付けできます。
ヒヤリとした場面を、集めてください
事故に至らなかった場面ほど、記録に残りません。しかし、そこにこそ手がかりがあります。
「あの家の前は、朝は子どもが通るので危ない」「あの方は、車を降りるときに手すりを持たずに立つ癖がある」。運転者は気づいていますが、共有されていません。
月に一度、送迎に出ている職員だけで十分ほど話す時間を作ってください。出てきたことを送迎表の備考欄に書き足します。それだけで、次に代わりの人が入った日の事故が減ります。
ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。
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