一日に必要なエネルギーは、基礎代謝量に動く量を掛けたものです。体重さえ測れれば計算できます。ここでは、日本人の食事摂取基準(2025 年版)に基づいて、計算の仕方と、現場での使い方を書きます。
2025 年版で変わったこと
食事摂取基準は五年ごとに改められます。現行は 2025 年版で、令和七年度から使われています。古い 2020 年版の数字を載せたままの資料が世の中にたくさん残っていますので、ご注意ください。
| 変わったところ | 中身 |
|---|---|
| たんぱく質 | 65 歳以上の目標量の下限が 14 %エネルギーから 15 %エネルギーへ |
| ビタミン D | 目安量が 8.5 μg から 9.0 μg へ |
| 関連する疾患 | 骨粗鬆症が加えられました |
| 身体活動レベル | 65 歳以上で見直し。75 歳以上の「ふつう」は 1.65 から 1.70 へ |
方向はどれも同じです。高齢の方に、もっと食べていただく。とくにたんぱく質と、骨を守るものを。
式は二段です
基礎代謝量 = 基礎代謝基準値 × 体重
一日に必要なエネルギー量 = 基礎代謝量 × 身体活動レベル
基礎代謝基準値
| 年齢 | 男性 | 女性 |
|---|---|---|
| 50 〜 64 歳 | 21.8 | 20.7 |
| 65 〜 74 歳 | 21.6 | 20.7 |
| 75 歳以上 | 21.5 | 20.7 |
単位はキロカロリー毎キログラム毎日です。八十二歳の女性で体重四十六キログラムなら、20.7 × 46 で基礎代謝量はおよそ 952 キロカロリーになります。
身体活動レベル
| 年齢 | 低い | ふつう | 高い |
|---|---|---|---|
| 50 〜 64 歳 | 1.50 | 1.75 | 2.00 |
| 65 〜 74 歳 | 1.50 | 1.70 | 1.90 |
| 75 歳以上 | 1.40 | 1.70 | — |
七十五歳以上には「高い」の区分が置かれていません。通所介護に通っている方の多くは「ふつう」にあたります。日中は座っている時間が長くても、送迎で車に乗り降りし、施設の中を歩き、体操をする。それだけの活動があります。ほとんど臥床している方は「低い」です。
先の八十二歳の女性で「ふつう」なら、952 × 1.70 でおよそ 1,620 キロカロリーになります。
目標とする BMI は、若い方より高い側にあります
| 年齢 | 目標とする BMI |
|---|---|
| 18 〜 49 歳 | 18.5 〜 24.9 |
| 50 〜 64 歳 | 20.0 〜 24.9 |
| 65 歳以上 | 21.5 〜 24.9 |
ここは、若い方の常識と逆になるところです。痩せている高齢者の方が危ないためです。体重が減ると筋肉も減ります。筋肉が減ると転びやすくなり、転べば骨が折れ、折れれば寝たきりに近づきます。感染にも弱くなります。
「少し太めですね」と言わないでください。
BMI 23 の高齢者は、目標の範囲のまん中にいます。健康診断の基準に慣れていると太めに見えますが、この年代ではちょうどよい状態です。ご本人やご家族に不用意に伝えると、自分から食べる量を減らしてしまうことがあります。
たんぱく質は、合計より配り方です
六十五歳以上の女性で、推奨量は五十グラムです。しかし推奨量は「これを下回ると不足する人が出てくる」という最低限の線であって、目指す量ではありません。
目指すのは目標量の側です。十五パーセントエネルギーから二十パーセントエネルギー。一日千六百二十キロカロリーの方なら、六十一グラムから八十一グラムになります。推奨量の五十グラムより、はっきり多くなります。
そして、合計が足りていても朝が少ないと筋肉は作られにくいことが分かっています。一回の食事で一定量のたんぱく質が入らないと、筋肉を作る反応が始まらないためです。
日本の高齢者に多い形
朝はごはんと味噌汁と漬物。昼は麺類。夜に魚と肉が集中する。合計だけを見ていると気づけませんが、朝と昼にほとんど入っていません。
朝に足すなら、この三つです。卵を一つで六・一グラム、牛乳を二百ミリリットルで六・六グラム、納豆を一パックで八・三グラム。どれか一つ足すだけで、朝の一食が目安に届きます。
糖質を減らす前に、確かめること
糖質を控える話が世の中に多いため、高齢の方でもごはんを減らそうとされることがあります。ここは慎重に見てください。
炭水化物の目標量は五十パーセントエネルギーから六十五パーセントエネルギーで、これは減っていません。ごはんを減らすと、エネルギーが足りなくなります。そしてエネルギーが足りないと、体はたんぱく質を燃やし始めます。せっかく食べた肉や魚が、筋肉にならずに燃料として消えるのです。
糖尿病の方であっても、指示エネルギーは主治医が出します。勝手に減らす根拠にはなりません。
計算した数字は、出発点にすぎません
基準そのものに「エネルギーの過不足は体重の変化または BMI を用いて評価すること」と書かれています。計算した数字を出していて体重が落ちていくなら足りていませんし、増え続けるなら多すぎます。
いちばん大事な仕事は計算ではなく、体重を測り続けることです。月に一度、同じ日、同じ時刻、同じ服装で。朝食の前がもっとも安定します。
その場で計算できます
年齢と性別と身長と体重と動く量を入れると、必要なエネルギー、たんぱく質、脂質、炭水化物、食塩、食物繊維、水分の目安が一枚に出る道具を用意しました。栄養の計算です。ビタミンとミネラルの基準も、その方の年齢と性別で出ます。
食品成分表の 2,538 品目を載せていますので、献立の栄養価も計算できます。登録は要りません。入れた内容はお使いの端末の中だけで扱い、送信も保存もしていません。
ケアマネジャーとご家族と求職者に届く形で作ります。送迎の到着予告は、後から積めるオプションです。相談と見積もりは無料です。
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