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課題整理総括表の書き方。欄ごとの記入例と、つまずくところ

2026.09.11空音開発約 3 分で読めます

課題整理総括表は、書き方が分からないまま提出されている書類の代表です。厚生労働省が示した様式で、義務ではありませんが、運営指導や研修で求められることがあります。ここでは、欄ごとに何を書くのかを順に整理します。

この表は、何のためにあるのか

ケアプランの第二表には、生活全般の解決すべき課題(ニーズ)を書きます。ところが、その課題がどうやって導かれたのかは、第二表を見ても分かりません。

課題整理総括表は、そこを埋めるものです。アセスメントで集めた情報から、どう考えて課題にたどり着いたのか。その道筋を一枚に残します。

つまり、この表は結論を書く紙ではなく、考えた過程を書く紙です。ここを取り違えると、第二表を写しただけの表になります。

欄ごとに、何を書くか

書く中身
自立した日常生活の阻害要因病名や心身の状態。三つほどに絞ります
利用者及び家族の生活に対する意向聞いた言葉のまま。要約しすぎない
現在の状況できているか、見守りが要るか、介助が要るか。項目ごとに
要因なぜその状況なのか。阻害要因の番号で結びます
改善/維持の可能性改善、維持、悪化のどれを見込むか
備考(状況・支援内容等)その見込みの根拠。ここがいちばん読まれます
見通し支援があればどうなるか。期間も添えて
生活全般の解決すべき課題第二表に書く課題。優先順位も

阻害要因は、三つほどに絞ります

病名を並べたくなりますが、全部書くと関係が見えなくなります。今の生活を妨げているものだけを選びます。

たとえば「変形性膝関節症による痛み」「軽度の認知機能の低下」「同居の家族が日中不在」。この三つなら、後の欄で番号を使って結びつけられます。

高血圧や糖尿病は、生活を直接妨げていないなら、ここには入れません。医療的な管理が必要であれば、備考の欄に書きます。

要因の欄が、この表の中心です

現在の状況を書いただけの表をよく見ます。「入浴 = 一部介助」。これだけでは、なぜ一部介助なのかが分かりません。

要因の欄に、阻害要因の番号を入れます。「入浴 = 一部介助(要因 1)」。膝の痛みがあるから浴槽をまたげない、ということが伝わります。

要因が分かると、支援の方向が決まります。膝の痛みが原因なら、手すりを付ければ自分でできるかもしれない。認知機能が原因なら、声かけの工夫が要る。同じ「一部介助」でも、やることがまったく違います。

改善/維持の可能性は、根拠とセットで

「改善」に丸を付けたなら、なぜ改善すると考えたのかを備考に書きます。

「浴室に手すりを付ければ、またぎ動作は自力でできる見込み。訪問リハビリテーションの評価で、片脚立位が五秒可能と確認」。ここまで書いてあれば、読んだ人が納得できます。

逆に、根拠なく「改善」ばかり並んでいる表は、指摘を受けます。改善しないものは「維持」と書いてよいのです。維持することも支援の目標です。

見通しの欄で、期間を書きます

「支援があれば改善が見込める」だけでは、いつまでにという情報がありません。

「三か月のあいだに手すりを設置し、訪問介護で週二回の入浴介助を行うことで、六か月後には見守りでの入浴が可能になる見込み」。期間が入ると、第二表の目標とそのままつながります。

生活全般の解決すべき課題は、ご本人の言葉に近づけます

ここに書いたものが、そのまま第二表の課題になります。専門職の言葉ではなく、ご本人が読んで分かる言葉にしてください。

専門職の言葉:入浴動作における下肢機能の低下

ご本人の言葉に近づける:一人でお風呂に入れるようになりたい

そして優先順位を付けます。全部が同じ重さということはありません。ご本人が最も困っていること、生命や安全に関わることを上に置きます。

書けなくなったときの戻り方

途中で手が止まるのは、たいてい情報が足りていないからです。そのときは表を埋めようとせず、アセスメントに戻ってください。

表が埋まらないのは、書き方の問題ではなく、聞けていないことの合図です。無理に埋めた表は、後で使えません。

この表を書くと、担当者会議が変わります

課題整理総括表を作っておくと、担当者会議で説明が速くなります。なぜこの課題を立てたのか、その道筋を一枚で示せるからです。

サービス事業所の側も、要因が分かっていれば動きやすくなります。「膝の痛みが原因で浴槽をまたげない」と分かっていれば、訪問介護員は痛みの出ない介助を選べます。

書類を増やすためではなく、伝わる形にするために書く。そう考えると、この表は使い道のあるものになります。生活歴の書き方もあわせてご覧ください。アセスメントの土台が厚いほど、この表は書きやすくなります。

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朝比奈幸太郎
朝比奈幸太郎

芸術家、空音開発創業者。二十代の終わりから三十代にかけて、要介護 5 の祖母と要介護 2 の祖父を一人で在宅介護しました。公開されている測位の基準局を毎日測り、記録を番号付きで公開しています。介護事業所のホームページ制作と、送迎の到着予告「かぞくのまど」を運営しています。運営者情報